本日、日銀の金融政策決定会合で、マイナス金利の導入が決定しました。
今後銀行が日銀に預ける当座預金の金利をこれまでの0.1%から-0.1%に引き下げます。
既に預けている当座預金の金利はこれまで通り0.1%です。
<参考>
- 日銀、マイナス金利導入を決定 異次元緩和に転換点(日経新聞)
- 日銀、マイナス金利を導入 日本の金融政策で初(朝日新聞)
マイナス金利って?
通常、銀行にお金を預けておくと金利の分だけプラスの利息が付きますが、マイナス金利においては逆に利息分残高が減ります。
日銀が決定する金利というのは、民間の金融機関が日銀に預ける当座預金と呼ばれるお金に対してのものです。
銀行にとっては、マイナス金利で預けて放置すると残高が減るわけですので、できる限りお金を動かす必要があり、それが市中に流れるお金(マネーストック)を増やすことに繋がります。
市中に流れるお金が増えるということは、物の価格が上がりやすくなる、すなわち日銀が目指す物価上昇率2%に近づくというわけです。
ちなみに、今回のレベルであれば我々が銀行に預ける時の金利はマイナスにはならないと思います。
住宅ローン金利はどうなる?
日銀のマイナス金利導入は、国債金利、及び銀行の店頭金利の低下要因となります。
本日既に日銀の発表を受けて日本国債10年は0.1%台に急低下しています。
これまでゼロ金利政策の中で、住宅ローンの変動店頭金利はこれ以上下がらない状況が続いてきましたが、今回の政策変更により店頭金利も下がる可能性が高いと思います。
したがって、今後さらに変動金利、固定金利ともに過去最低を更新していくものと思われます。
今後のさらなる追加緩和は?ドル円はどうなる?
前回の記事で1月の追加緩和はないだろうっと言ってしまってすみませんでした。
今回の政策によって、為替(ドル円)は再び円安基調になると思いますが、節目の125円を超えるかはやはりアメリカFRBの利上げ次第だと思います。
昨日のFOMCで、再び「世界情勢を注視する」とのメッセージが出てきたことから、3月利上げは若干遠のいた感があり、今後の指標で大幅な改善が見られなければ3月の利上げはなく、ドル円にとっては逆風になりそうです。
但し、今回日銀が再び物価目標の達成への強い意志を表明したことで、ドル円が115円を大きく下回る可能性はものすごく低くなったものと思われます。
さらなる追加緩和に関しては、これで経済成長を伴う物価上昇を実現できるかと言えば、それは厳しく、したがってさらなる追加緩和は大いにあり得るかと思います。
しかし、今回の金融政策決定会合のマイナス金利導入は賛成5:反対4という僅差での決定であり、日銀内でのコンセンサスが取れづらい状況になってきたことは注視する必要がありそうです。
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