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住宅ローンの3大(8大)疾病保険・がん保障は本当に必要?

      2016/08/26

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こちらの記事は216/8/26に更新されました

保険

住宅ローンを検討していると、「3大疾病保障」や「がん保障」、「8大疾病保障」といった保険を必ず目にします。

長期にわたって返済が続く住宅ローンですから、万が一病気やケガで長期療養になってしまうリスクを考えると、こういった保険は魅力に感じます。

かくいう私も2年半程前に住宅ローンを借り入れた際、8大疾病保障に加入しました。

ところが、ある時こう思ったのです。

「この保険、出番はあるのだろうか?」

 

銀行サイトの住宅ローン保障に関するページにはよくこんなことが書いてあります。

「生涯で、がんになる確率は2分の1以上」

「病気による死亡原因の半分以上は3大疾病」

これらの情報は第3者機関が公表しているデータであり、データの信ぴょう性を疑う必要はないと思います。

しかし、がんであれば”生涯”で罹患する確率ですし、死亡原因の内訳だったりするわけです。

でも、住宅ローンを死ぬ直前まで借りる人っていないですよね、せいぜい70歳手前まででしょう。

そう考えると、これらの数値はなんの意味もないことに気づきます。しかも、住宅ローンの残高は当然徐々に減っていくものですから、60歳以降に万が一のことがあったとしても負担額はそれほど大きくないかもしれません。大きな病気に罹りやすくなるのは60歳以降ですから、そういった意味でも、保険に入るべきか否かは、ホームページに載っている情報だけでは判断できないと思います。

そこで気になった私は、これらの保険に関して色々と調べてみましたのでここでご紹介したいと思います。

 

※2016/8/26追記

この記事に記載した情報を参考に、その後借り換えをした際、任意保険はすべて加入しない判断をしました。

住宅ローン
今月ついに、住宅ローンの借り換えをします。 ↓の記事やツイッターでお伝えしてましたように、三井住友信託銀行の当初固定30年(金利0.73%)へ借り換えます。 http:

 

 

3大疾病保障って何?

住宅ローンを借り入れる際に、多くの人が加入するのが「団体信用生命保険」通称「団信」です。

これは債務者が死亡したり高度障害になった時に、保険会社が返済を全額肩代わりしてくれる保険です。

この団信は、フラット35と一部の銀行を除いて、強制加入でありますので、健康状態が悪くて団信に加入できないと、住宅ローンの借入ができません。(糖尿病、高血圧などに疾患していても加入できるワイド団信というものもあります。また、フラット35では機構団信という保険に任意で加入できますが、費用は利用者負担です。)

利用者は団信の費用を払う必要はありませんが、死亡あるいは高度障害という限られた状況でしか適用にならず、それ以外の病気やケガによる就業不能状態でのサポートとしては使えません。

高度障害とは?

以下のいずれかの状態を指します。

  1. 両眼の視力を全く永久に失ったもの
  2. 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  3. 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  4. 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  5. 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  6. 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  7. 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  8. 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

適用の条件は非常に厳しく、例えば「脳梗塞で利き腕が自由に動かせなくなり、元の職にはつけない」レベルでは当然対象とはならず、ある意味「誰がどう見ても仕事ができない状態」でない限り適用を受けることは難しい。

そこで出てきたのが、冒頭でもお話しした、3大疾病、8大疾病、がんなどの病気に対する保険です。

3大疾病とは、がん(上皮内がんを除く)、脳卒中、急性心筋梗塞。

7大疾病は3大疾病+高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変。

8大疾病は7大疾病+慢性膵炎。

ひと口に3大疾病保障と言っても、例えば「がん」と診断された時点で住宅ローン残高が0(弁済)になる保険もあれば、がんと診断されて就業不能状態になり、さらにそれから1年経過した時に全額弁済となる保険など、その条件はいくつかあります。

ここで、主な銀行の任意保障を調べてみました。

金融機関名 三菱東京UFJ銀行
保険商品名 ビッグ&セブン
(7大疾病保障付住宅ローン)
対象範囲・保障内容 7大疾病によりいかなる業務にも従事できない状態
・31日目~1年⇒毎月のローン返済額をお支払
・1年以上継続⇒住宅ローン残高0円(全額返済)
債務者負担 借入額、年齢、返済期間、金利等により設定された金額
推移例はこちら
引受保険会社 東京海上日動火災保険株式会社

 

金融機関名 みずほ銀行・三菱UFJ信託銀行・ソニー銀行
保険商品名 3大疾病保障特約付団体信用生命保険
対象範囲・保障内容 以下の場合に残高の全額を弁済
・所定の悪性新生物に罹患したと医師に診断確定された時
・脳卒中、心筋梗塞と診断され60日経過以降も所定の状態が続いた時
債務者負担 金利+0.3%
備考 所定の状態とは
急性心筋こうそく :軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態。
脳卒中 : 言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態。

 

金融機関名 みずほ銀行
保険商品名 8大疾病保障プラス 
対象範囲・保障内容 ・8大疾病及びケガや病気による就業障害
31日目~1年⇒毎月のローン返済額をお支払
・8大疾病による就業障害
1年以上継続⇒住宅ローン残高0円(全額返済)
債務者負担 借入額、年齢、返済期間、金利等により設定された金額
推移例はこちら
引受保険会社 損害保険ジャパン日本興亜株式会社

 

金融機関名 三井住友銀行
保険商品名 8大疾病保障付住宅ローン
対象範囲・保障内容 20~45歳
・がんと診断された時⇒住宅ローン残高0円
・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した時⇒住宅ローン残高0円
・上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 2ヶ月目~12ヶ月⇒返済月額を保障
・上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 13ヶ月以上⇒住宅ローン残高0円46歳~55歳
・8大疾病と診断され就業不能状態 2ヶ月目~12ヶ月⇒返済月額を保障
・8大疾病と診断され就業不能状態 13ヶ月以上⇒住宅ローン残高0円
債務者負担 金利+0.3%
引受保険会社 三井住友海上火災保険株式会社
備考 所定の状態とは
急性心筋こうそく :軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態。
脳卒中 : 言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態。

 

金融機関名 三井住友信託銀行
保険商品名 八大疾病保障(トリプル入院保障・奥様保障付) 
対象範囲・保障内容 借入時20~45歳
・がんと診断された時⇒住宅ローン残高0円
・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した時⇒住宅ローン残高0円
・上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 2ヶ月目~12ヶ月⇒返済月額を保障
・上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 13ヶ月以上⇒住宅ローン残高0円
・ケガや病気で入院した時⇒入院一時金10万円、約定返済相当額最長2ヶ月分保障、2ヶ月以上の入院で一時金30万円
・奥様が女性特有のガンと診断されたら⇒診断給付金100万円を支払い
債務者負担 金利+0.4%
引受保険会社 カーディフ損害保険会社
備考 所定の状態とは
急性心筋こうそく :軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態。
脳卒中 : 言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態。金利+0.2%で住宅ローン残高半分になる50%給付型も借入時46~55歳用の8大疾病保障(奥様保障付)もあり

 

金融機関名 三井住友信託銀行
保険商品名 三大疾病保障(トリプル入院保障付) 
対象範囲・保障内容 借入時20~45歳
・がんと診断された時⇒住宅ローン残高0円
・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した時⇒住宅ローン残高0円
・ケガや病気で入院した時⇒入院一時金10万円、約定返済相当額最長2ヶ月分保障、2ヶ月以上の入院で一時金30万円
債務者負担 金利+0.3%
引受保険会社 カーディフ損害保険会社
備考 所定の状態とは
急性心筋こうそく :軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態。
脳卒中 : 言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態。金利+0.15%で住宅ローン残高半分になる50%給付型

 

金融機関名 三井住友信託銀行
保険商品名 がん保障(入院保障付)
対象範囲・保障内容 借入時20~45歳
・がんと診断された時⇒住宅ローン残高0円
・ケガや病気で入院した時⇒約定返済相当額1ヶ月分保障
債務者負担 金利+0.2%
引受保険会社 カーディフ損害保険会社
備考 金利+0.1%で住宅ローン残高半分になる50%給付型

 

金融機関名 住信SBIネット銀行
保険商品名 8疾病保障
対象範囲・保障内容 ・8疾病で所定の就業不能状態になった場合、月々の返済を保障(最大12ヶ月)
・8疾病で就業不能状態が12ヶ月以上続いた場合、住宅ローン残高相当額を支払い
債務者負担 無料
引受保険会社 カーディフ損害保険会社
備考 女性は8疾病保障・ガン診断給付金付を無料付帯

 

金融機関名 イオン銀行
保険商品名 八大疾病保障
対象範囲・保障内容 借入時20~49歳
・がんと診断された時⇒住宅ローン残高0円
・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した時⇒住宅ローン残高0円
・上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 2ヶ月目~12ヶ月⇒返済月額を保障
・上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 13ヶ月以上⇒住宅ローン残高0円
債務者負担 金利+0.3%
引受保険会社 カーディフ生命保険会社・カーディフ損害保険会社
備考  所定の状態とは
急性心筋こうそく :軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態。
脳卒中 : 言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態。

 

金融機関名 住宅金融支援機構(フラット35)
保険商品名 3大疾病保障付機構団信
対象範囲・保障内容 借入時 15~50歳
下記の場合に住宅ローン残高が全額弁済される
・がんと診断された時
・急性心筋梗塞の手術を受けた時、または診断から60日経過後も所定の状態が続いた時
・脳卒中の手術を受けた時、または診断から60日経過後も所定の状態が続いた時
債務者負担 借入額、返済期間、金利等により設定された金額
シミュレーションはこちら
備考  所定の状態とは
急性心筋こうそく :軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態。
脳卒中 : 言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態。

 

金融機関名 じぶん銀行
保険商品名 がん50%保障団信 
対象範囲・保障内容 がんと診断された時⇒住宅ローン残高が1/2
債務者負担 無し
引受保険会社 クレディ・アグリコル生命保険株式会社
備考  他にがん100%保障団信、11疾病保障団信も

 

各保険には対象範囲や保障内容など細かな条件が設定されています。詳しくは各商品サイトの説明をご覧下さい。

 

いかがでしょうか?様々あるように見えますが、ざっくりと以下のようにまとめられます。(あくまでざっくりですので、細かな違いはあります)

内容 債務者負担
がん保障 がんと診断確定された時に残高0円 金利+0.2%(三井住友信託銀行)※入院保障付

負担無し 残高1/2(じぶん銀行)

3大疾病保障 がんと診断確定された時に残高0円

脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した時に残高0円

金利+0.3%(みずほ銀行・三菱UFJ信託銀行・ソニー銀行)

金利+0.3%(三井住友信託銀行)※トリプル入院保障付

8大疾病保障① がんと診断確定された時に残高0円

脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した時に残高0円

上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 2ヶ月目~12ヶ月⇒返済月額を保障
上記以外の8大疾病と診断され就業不能状態 13ヶ月以上⇒住宅ローン残高0円

金利+0.3%(三井住友銀行・イオン銀行)

金利+0.4%(三井住友信託銀行)※トリプル入院保障・奥様保障付

8大(7大)疾病保障② 8大(7大)疾病によりいかなる業務にも従事できない状態
31日目~1年⇒毎月のローン返済額をお支払
1年以上継続⇒住宅ローン残高0円(全額返済)
借入額、年齢、返済期間、金利等により設定された金額 7大(三菱東京UFJ銀行)

借入額、年齢、返済期間、金利等により設定された金額 8大(みずほ銀行)

負担無し  8大(住信SBIネット銀行)

 

保険範囲の広さでは、8大疾病保障① > 3大疾病保障 > がん保障 > 8大(7大)疾病保障② になります。

がん保障、3大疾病保障と8大疾病保障①はがんと診断されると住宅ローン残高ゼロになります。一方、8大(7大)疾病保障②が残高0円になるのは、該当の病気に罹って、かつ1年以上就業不能状態が続いた時です。

この「就業不能状態」とは、例えば三菱東京UFJ銀行では、

7大疾病で入院または医師の指示による自宅療養により、被保険者の経験や能力に応じたいかなる仕事もまったくできない状態をいいます。なお、被保険者が死亡した後は、いかなる場合でも就業障害といいません。

一般に入院中は”いかなる仕事もまったくできない”状態に該当いたしますが、自宅療養の場合は「医師の指示による自宅療養」が保険金のお支払対象となります。

7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン(三菱東京UFJ銀行)

と記載されており、現実的には適用されるケースは稀だと思われます。

 

一方、費用の負担を見てみると、がんに罹患すると残高が1/2になるじぶん銀行は自己負担0円、同じくがん罹患で残高0円になる三井住友信託銀行は金利+0.2%となっております。

3大疾病保障は全行横並びの金利+0.3%

8大疾病保障①は金利+0.3~0.4%となっており、残高0円の範囲が広い保険は費用も結構かかりそうです。

適用条件が厳しい8大(7大)疾病保障②については、住信SBIネット銀行が無料付帯になっている他、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行は金利上乗せではなく、比較的安価な費用を別途払うプランになっています。また、これらの費用を別途支払うタイプの保険は、借入期間中の途中解約が可能なことも特徴のひとつです。

各社のホームページを見ていると一見8大疾病が無料の住信SBIネット銀行が魅力的に見えますが、こうやって並べて比較してみると各社良し悪しがあって、うまい話はないものだと気づかされます。

 

具体的にどれぐらいの負担になるのか?

次に、これらの保障の保険料は具体的にいくらになるのか、いくつかのパターンでシミュレーションしたいと思います。

金利上乗せタイプの保険料

各条件で上乗せ金利が発生した場合に、追加で発生する総返済額を記載しています。

 

① 借入期間35年・金利1%の場合

上乗せ金利/借入金額 2,000万円 3,000万円 4,000万円
0.2% 79万円 119万円 158万円
0.3% 119万円 179万円 239万円
0.4% 160万円 240万円 320万円

 

② 借入期間25年・金利1%の場合

上乗せ金利/借入金額 2,000万円 3,000万円 4,000万円
0.2% 55万円 82万円 109万円
0.3% 82万円 124万円 165万円
0.4% 110万円 165万円 220万円

 

③ 借入期間15年・金利1%の場合

上乗せ金利/借入金額 2,000万円 3,000万円 4,000万円
0.2% 32万円 48万円 64万円
0.3% 48万円 72万円 96万円
0.4% 64万円 96万円 128万円

 

④ 借入期間35年・金利2%の場合

上乗せ金利/借入金額 2,000万円 3,000万円 4,000万円
0.2% 87万円 130万円 174万円
0.3% 131万円 197万円 262万円
0.4% 176万円 263万円 351万円

 

⑤ 借入期間25年・金利2%の場合

上乗せ金利/借入金額 2,000万円 3,000万円 4,000万円
0.2% 59万円 88万円 118万円
0.3% 89万円 133万円 177万円
0.4% 118万円 178万円 237万円

 

⑥ 借入期間15年・金利2%の場合

上乗せ金利/借入金額 2,000万円 3,000万円 4,000万円
0.2% 33万円 50万円 67万円
0.3% 50万円 75万円 100万円
0.4% 67万円 100万円 134万円

 

借入金額、借入期間はもちろん、借入金利によっても変化するので、それら各条件での保険料負担額を試算してみました。

借入期間35年では、一番負担額の少ないがん保障(上乗せ金利0.2%)でも79万円(借入2,000万円)~という結果になりました。

結構高額になりますね。

同じ35年で、三大疾病保障(上乗せ金利0.3%)に入ろうとすると119万円(借入2,000万円)~とさらに上がります。

借入期間が少ない方はもう少し負担が減り、

借入25年、0.2%の上乗せで55万円~、0.3%の上乗せで82万円~となります。

借入15年、0.2%なら32万円~、0.3%なら48万円~となり、借入期間が短いと支払額も少なくなります。

※上乗せ金利がない場合に、上乗せ金利を支払ったつもりで繰り上げ返済に充てるとする場合、保険料負担額はさらに上がります

 

一方、金利上乗せではなく別途保険料として支払うタイプの場合はどうなるのでしょうか。

 

別払いタイプの保険料

⑤ 三菱東京UFJ銀行 7大疾病保障 借入期間35年・金利1.5%・借入時33歳・男性の場合

借入金額 2,000万円   総支払保険料 約59万円 ※HPからの推計値

 

⑥ みずほ銀行 8大疾病保障プラス 借入期間35年・金利1.5%・借入時32歳・男性の場合

借入金額 2,000万円   総支払保険料 約42万円 ※HPからの推計値

 

こちらHPから推定して出してますので、実際と異なる場合があることをご了承ください。

先ほどの金利上乗せタイプに比べて負担額が少ないですね。

「3大じゃなくて8大(あるいは7大)で、しかも保険料も金利上乗せのタイプよりも安い!」

と思われがちですが、この記事をご覧の皆様は既にお気づきの通り、

⑤⑥のような保険は一見お得に見えますが、⑤⑥は残高ゼロになる条件が①~④に比べて厳しく、その分保険料が安くなっていることに注意が必要です。

 

 

病気になるリスク

前述の通り、いずれの保険も借入25年以上では保険料としてはかなり高額の支払いが必要となります。

その額が妥当なのかどうか、検討してみたいと思います。

ここで重要なのは、病気になる=保険が適用されるではないことです。保険が適用される条件は保険毎に細かく決められています。

そして、保険会社毎にも違いがあります。

それらをすべて網羅して調査するのは難しいのですが、ここではできる限り、「保険が適用となる」条件に近い形でリスクを検討してみたいと思います。

 

がんになる可能性

国立がん研究センターがん対策情報センターのサイトに「がん統計」という情報が公開されています。

こちらのデータを使ってがんになる可能性を調べてみました。

 

① がん罹患リスク

例:現在40歳の男性が20年後までにがんと診断される確率=7%

男性

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.2% 0.3% 0.5% 1% 2% 8% 21% 41% 62%
10歳 0.1% 0.3% 0.9% 2% 8% 21% 41% 62%
20歳 0.2% 0.7% 2% 8% 21% 41% 62%
30歳 0.5% 2% 7% 21% 42% 62%
40歳 2% 7% 21% 42% 63%
50歳 6% 20% 41% 63%
60歳 16% 39% 63%
70歳 30% 60%
80歳 54%

女性

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.1% 0.2% 0.6% 2% 6% 11% 19% 29% 46%
10歳 0.1% 0.5% 2% 5% 11% 19% 29% 46%
20歳 0.4% 2% 5% 11% 18% 29% 46%
30歳 1% 5% 10% 18% 28% 46%
40歳 4% 9% 17% 28% 45%
50歳 6% 14% 25% 44%
60歳 9% 21% 41%
70歳 13% 36%
80歳 29%

※国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターHP掲載「最新がん統計」より(2016/3/29時点)

※がん罹患リスクの中で重要なのは「上皮内がん」を含むか否かという点ですが、当該データの基は地域がん登録全国推計によるがん罹患データになっているようで、推計方法を確認したところ「2007年以降は上皮内がんを除く全部位の値」と記載されているので、こちらは上皮内がんを含まないデータとなっていると思われます。ただ、罹患リスクが高く感じるので、解釈に違いがある可能性があり、ご容赦下さい。

「上皮内がん」とは?

上皮内新生物とは?がん保険に加入するとき知っておくべき基礎知識 by 保険の教科書

 

よく「生涯でがんになる確率は2分の1」なんて言われますが、年齢別に見るとほとんど60歳以降に偏っていることがわかります。

30歳男性が60歳までにがんに罹る確率は7%ですが、70歳までの確率は21%、さらに10年後までに42%に跳ね上がります。

女性は、乳がんや子宮がんにより男性に比べて若年での罹患リスクが高いですが、生涯で見ると低くなっています。

一方でがんで死亡する確率はどうでしょう。

 

② がん死亡リスク

例:現在40歳の男性が20年後までにがんで死亡する確率=2%

男性

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.0% 0.0% 0.1% 0.2% 0.6% 2% 7% 15% 26%
10歳 0.0% 0.1% 0.2% 0.5% 2% 7% 15% 26%
20歳 0.0% 0.1% 0.5% 2% 7% 15% 26%
30歳 0.1% 0.5% 2% 7% 15% 26%
40歳 0.4% 2% 7% 15% 26%
50歳 2% 6% 15% 26%
60歳 5% 14% 25%
70歳 10% 23%
80歳 17%

 

女性

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.0% 0.0% 0.1% 0.2% 0.7% 2% 4% 9% 16%
10歳 0.0% 0.1% 0.2% 0.7% 2% 4% 9% 16%
20歳 0.0% 0.2% 0.7% 2% 4% 9% 16%
30歳 0.2% 0.6% 2% 4% 9% 16%
40歳 0.5% 2% 4% 8% 16%
50歳 1% 4% 8% 15%
60歳 3% 7% 14%
70歳 5% 12%
80歳 9%

※国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターHP掲載「最新がん統計」より(2016/3/29時点)

 

先ほどの罹患リスクに比べるとリスクはかなり低くなります。

30歳男性が60歳までにがんで死亡する確率は2%ですが、70歳までの確率は7%、さらに10年後までに15%になります。

2%というと小さく感じてしまいますが、100人中2人も30年間で死亡すると思うと結構高く感じます。

また、これらのデータからわかるのは、がんになっても3分の2は死なないということです。

がんに罹患するリスクとがん死亡リスクから、がんになっても死なないリスクを計算してみました。

 

③ がんに罹患して死亡しないリスク

死んでしまった時は団信が適用になりますので、本稿のテーマである保険で重要なのは、「病気にかかるけど死なない場合」に対するケアです。

前述の「がん罹患リスク」から「がん死亡リスク」を差し引くと、「がんに罹患するが、死亡しないリスク」を算出できます。

 

男性

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.2% 0.3% 0.4% 0.8% 1.4% 6% 14% 26% 36%
10歳 0.1% 0.2% 0.7% 1.5% 6% 14% 26% 36%
20歳 0.2% 0.6% 1.5% 6% 14% 26% 36%
30歳 0.4% 1.5% 5% 14% 27% 36%
40歳 1.6% 5% 14% 27% 37%
50歳 4% 14% 26% 37%
60歳 11% 25% 38%
70歳 20% 37%
80歳 37%

女性

現在の年齢 10年後 20年後 30年後 40年後 50年後 60年後 70年後 80年後 生涯
0歳 0.1% 0.2% 0.5% 1.8% 5.3% 9% 15% 20% 30%
10歳 0.1% 0.4% 1.8% 4.3% 9% 15% 20% 30%
20歳 0.4% 1.8% 4.3% 9% 14% 20% 30%
30歳 0.8% 4.4% 8% 14% 19% 30%
40歳 3.5% 7% 13% 20% 29%
50歳 5% 10% 17% 29%
60歳 6% 14% 27%
70歳 8% 24%
80歳 20%

※前述の最新がん統計のデータより筆者算出

 

30歳男性ががんに罹るが死亡しない確率は10年後で0.4%、20年後 1.5%、60歳までに5%、70歳までの確率は14%、さらに10年後までに27%となっております。

これを高いと感じるか、低いと感じるか、受け止め方は様々ありそうですね。

この数値をがん保障が適用される確率と見れば、費用対効果をシミュレーションできます。(厳密には保障適用とならないがんを考慮する必要がありますが。。)

仮に30歳で3,000万円を借入期間35年、金利1%で借りた人を想定して、住宅ローン残高、罹患リスク、支払保険料(金利上乗せ0.2%)を並べてみますと

住宅ローン残高 保険料負担 保険適用の確率
40歳 2,267万円 33.9万円 0.4%
50歳 1,441万円 67.8万円 1.5%
60歳 509万円 101.7万円 5%

例えば、50歳までに必要な保険料は67.8万円、がんに罹患し、死亡しない確率は1.5%です。50歳時点での住宅ローン残高は1,441万円となります。

言い方を変えると、67分の1の確率で適用になって、1,441万円ぐらいが弁済される保険の保険料が67.8万円です。

確率低いのに、保険料が随分と高く感じますよね。

保険料負担額に対して、保険適用の確率と弁済額の関係性、すなわち払った保険料がどれぐらい戻ってくるのか、理論上の返戻率を計算すると、

40歳 26.7%

50歳 31.9%

60歳 25.0%

となります。これはすなわち元締めである保険会社が7割以上もっていくということであり、確率的には分の悪い保険と言わざるを得ません。

金利上乗せタイプの保険の場合、比較的罹患リスクが小さい若い時に借入金額(残高)が大きい、すなわち保険料負担額が高いのに対して、保険適用のリスクが高まる高齢になるにつれて住宅ローン残高(弁済額)は低くなるという特性があるからです。

住宅ローンという不安が増幅しやすいタイミングに、現実とかけ離れたデータを見せて不安を煽り、金利上乗せという一見自然に見える形で、多額の保険料を徴収するという商売の実態が見えてきます。

しかも、がん保障、3大疾病保障、8大(7大)疾病保障①については、一度保険に加入するとローン完済まで上乗せ金利も払い続ける必要があり、保険だけ途中で止めることはできません。

とはいえ、万が一0.4%の中に入ってしまった(がんになってしまった)時に保険に入ってないのは大変困るわけで、保険をかけないというのも勇気がいるわけです。

これについては実は「収入保障保険(就業不能保険)」という対案もありますので後述します。

 

一方で、こういった保険のメリットを享受しやすい人もいます。

例えば、既に住宅ローンの返済を15年以上続けている方が借り換えをする場合はどうでしょうか。

30歳で3,000万円を借入期間35年、金利2%で借りた人が、40歳で金利1%で借り換え(借入期間25年)をするケース(金利上乗せ0.2%)を考えてみます。

住宅ローン残高 保険料負担 保険適用の確率
40歳 2,345万円
50歳 1,490万円 25.7万円 1.5%
60歳 527万円 51.4万円 5%

理論上の返戻率は

50歳 63.8%

60歳 47.2%

先ほどより改善されました。

借り換えの場合、ある程度年齢が上がっている上に借入額も下がっているため、保険料負担が少なく済みます。言い換えると保険適用の確率が低い低年齢時は保険料を支払わず、確率が上がってくる高齢時に保険に入れるというメリットがあります。

何歳で加入しても上乗せ金利が同じという通常の生命保険では考えられない条件がこの状態を生んでいます。

もちろん加入できる年齢には45歳などの条件が付いていることもありますし、借り換え前に病気に罹っていると加入できないこともある点は注意が必要です。

 

 

3大疾病(がん以外)のリスク

・脳卒中

まず脳卒中ですが、がんと同じ国立がん研究センターのサイトに「10年間で脳卒中を発症する確率について」という情報がありました。

脳卒中になる確率は年齢、性別、喫煙、糖尿、血圧などによって異なるようですが、比較的確率の高い人で、

40歳からの10年で2~3%

50歳からの10年で5%

くらいのようです。高血圧であると場合によってさらに5%ぐらい高くなることもあります。

不健康な人の場合、脳卒中のリスクはがんよりも少し高くなってしまいますが、

たばこを吸わない健康体の人ですと、

40歳からの10年で1%未満

50歳からの10年で1~2%

まで下がり、がんよりも確率は低くなります。

脳卒中で保険適用となるのは「言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症がある状態が60日以上続いた場合」が一般的でした。

その可能性はどのくらいあるのでしょうか。

こちらもケースバイケースだとは思いますが、こちらの資料が参考になりそうです。

発症から60日後で、

機能回復率 20%弱

復職率 10%程度

機能回復率は概ね6ヶ月以降、30%台で横ばいになるのに対して、

復職率は4ヶ月後 25%程度から1年後も上昇を続け、500日経過後までに50%近くまで上昇します。

機能回復してない=保険で言うところの神経学的後遺症がある状態ならば、脳卒中を発症するとかなりの確率で保険適用となりそうです。

 

 

・急性心筋梗塞

続いて急性心筋梗塞です。

国立循環器病研究センターのHPによると、冠動脈疾患の確率は以下のようになります。

喫煙、糖尿病、高血圧、コレステロール値高い人男性で、

35~44歳 10年発症リスク 5%

45~54歳 10年発症リスク 9%

健康体の人は

35~44歳 10年発症リスク 1%未満

45~54歳 10年発症リスク 1%

と、こちらも脳卒中同様、健康であるか否かで確率は随分と変わります。

急性心筋梗塞の復職の確率を調べてみましたが、わかりませんでした。

ただ、入院日数は脳卒中に比べて圧倒的に短いことや、急性心筋梗塞での死亡率は、60~64歳男性で10万人中56.1人(0.056%)とこちらはほぼゼロに近い数値となっている(日本心臓財団HPより)ことから、復職の確率はかなり高いものと考えられます。

 

三大疾病保障は得なのか?

現在健康であることを前提とすると、脳卒中、急性心筋梗塞それぞれに罹る可能性はがんよりも低そうです。

急性心筋梗塞は処置の早さが求められますが、復帰までの日数は比較的短く、60日以上で適用となる保険では出番は少なそうです。

脳卒中の場合は、復帰までにそれなりの日数を要するケースが多く、適用となるケースも出てきそうです。

三大疾病保障の上乗せ金利は0.3%でしたから、がん保障の0.2%の1.5倍。適用の可能性から考えても返戻率はがん保障と同程度となりそうです。

したがって、こちらも借り換え組はメリットを享受できる可能性がありますが、新規の人には向かない保険と言えそうです。

ちなみに、借入時点で高血圧、糖尿病などの場合は3大疾病入れない可能性が高いですので、今後借り換えで保障への加入を考えている方は、日頃の生活を見直しましょう。

 

8大疾病のリスク

3大疾病に関してはデータが豊富なんですが、それ以外の病気になると極端に情報が少なく、素人の私には調査が困難です。

3大疾病のところまでで、どうやら保障の恩恵を受けられるのはごく一部の人だろうということがわかってきました。

7大疾病と8大疾病の保障②は、3大疾病と違って1年以上就業不能状態が続いた場合に、残高ゼロになる商品でした。

1年以上働けない可能性ってどのくらいあるのでしょうか。それらのデータを探すのは困難なのですが、ひとつの目安として「平均入院日数」という情報は簡単に手に入ります。

ここでは価格.comのデータを使って検討してみたいと思います。

病名 平均入院日数
脳梗塞 100.3日
虚血性心疾患(急性心筋梗塞など) 9.5日
高血圧性疾患 34.9日
糖尿病 32.5日
腎不全 50.6日
肝硬変など 41.2日
膵疾患 21.3日

平均入院日数ですので、これよりも短い人もいれば長い人もいます。また、退院後働ける状態とは限りません。

しかし、前述の通り、重い病気として考えられる脳梗塞の平均入院日数が100.3日で、それ以外の病気はその半分以下です。

これらの病気で、1年以上就業不能と言える状況はあまりケースとしては多くないことが想像できます。

 

三井住友銀行とイオン銀行は他社の3大疾病保障と同じ0.3%の金利上乗せで加入できますので、おまけ程度に考えればそれほど悪くない選択なのかもしれませんが、上乗せ金利+0.4%となる三井住友信託銀行においては、3大疾病+0.1%の価値があるようには思えません。

みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の場合は、ローンの支払と別に保険料を払うタイプの保険でした。そして、これらの保険は7大疾病、8大疾病に罹ってから1年経過後に就業不能状態の場合に、住宅ローン残高がゼロになる保険です。脳梗塞以外では、これが適用となるケースは限りなく少ないものと思われます。

無論、2ヶ月目からは毎月の返済額が保障されますので、8大疾病保障が無料で付帯される住信SBIネット銀行は検討に値すると思います。

 

万が一の時の保障制度はこんなにもある

万が一の時に役立つものは、任意保険だけに限りません。

改めて様々な制度をおさらいしてみましょう。

 

高額療養費制度

3大疾病、8大疾病保障の話しとは少し離れますが、日本では健康保険の制度により、病院、治療にかかる費用は毎月の一定額以上払う必要はありません。

毎月の限度額は所得によって変わりますが、一般的なサラリーマンであれば8.01万円であることが多いです。

注意点としては差額ベッド代、食事代、保険適用外治療は対象外です。

高額療養費制度とは?押さえておくべき申請方法と活用するポイント by 保険の教科書

 

傷病手当

サラリーマンで、病気やケガで会社を休むことになった時は傷病手当金を受け取れます。(自営業など国民健康保険の人は対象外)

最大で1.5年、標準報酬月額の3分の2がもらえます。

傷病手当金とは?支給額と支給期間と押さえておきたい申請の方法 by 保険の教科書

 

障害年金

年金というと老後に毎月貰えるものという認識が強いですが、病気やケガで働けなくなった時にも貰える「障害年金」というものがあります。(3級については働ける場合でも受給可能)

障害年金を支給を受けられるのは、保険料納付要件と支給要件を満たしている人に限られます。

障害年金の受給要件は「国民年金法施行令」および「厚生年金保険法施行令」によって障害等級(1~3級)の基準が定められています。

障害等級 法律による定義 具体的には
1級 身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。
2級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
3級 傷病が治らないで、労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの 労働が著しい制限を受ける、または、労働に制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活には、ほとんど支障はないが労働については制限がある方が3級に相当します。
障害手当金 傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの

 

支給される年金額

障害基礎年金は国民年金加入者、障害厚生年金は厚生年金加入者が受けられます。障害厚生年金加入者は1級障害、2級障害の時、障害基礎年金も受けられます。

障害基礎年金 障害厚生年金
1級障害 983,100円+子の加算額 報酬比例の年金額×1.25

65歳未満の配偶者がいる場合 226,300円

2級障害 786,500円+子の加算額 報酬比例の年金額

65歳未満の配偶者がいる場合 226,300円

3級障害 報酬比例の年金額

下限 589,900円

障害手当金

(一時金)

報酬比例の年金額×2

下限 1,150,200円

※18歳到達年度の末日までの間にある子(または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子)がいる場合は、その数に応じて、子ども1人につき一定額(子ども2人までは1人につき226,300円、3人目以降は1人につき75,400円)が加算されて支給

 

障害年金の制度をご存じですか? by 政府広報オンライン

障害厚生年金シミュレーター by 障害厚生年金.net

 

 

就業不能保険という選択肢もある

病気やケガで長期にわたって働けなくなった時に役立つ保険に「就業不能保険」と呼ばれるものがあります。

3大疾病保障や8大疾病保障は、住宅ローンがゼロになるという保険でしたが、毎月の返済を保険で賄えるなら、実質ゼロと同じです。

そういった意味で、この就業不能保険も検討の価値があると思います。

就業不能保険と似たような保険として「収入保障保険」というものもありますが、これは死亡した時に毎月年金のような形で受給できるものですので、団信が任意加入の住宅ローンを借り入れる際の比較対象となります。

現在販売されている就業不能保険はライフネット生命の「働く人への保険」と日立キャピタル損害保険の「リビングエール」です。

入院期間中のみ保険金を受給できるものもありますが、ここでは対象外とします。

ライフネット生命も日立キャピタル損害保険も共通するのは、病気やケガで長期療養を余儀なくされ全く働けなくなった(就業不能状態になった)場合に、毎月、収入のように保険金を受取ることができる保険ということです。

全く働けない(就業不能)状態とは、病気やケガで入院または医師の指示による自宅療養により「いかなる業務(仕事)にも全く従事できない状態」のことをいいます。

「いかなる業務(仕事)にも全く従事できない状態」とは、病気やケガになる前の業務(仕事)だけでなく、他の事務作業や軽作業等の仕事も全くできない状態をいいます。就業不能の状態であるかの確認にあたっては、医師の診断書、あるいは医師への事情確認、就業障害状況報告書や被保険者ご本人への事情確認等によって確認させていただきます。

なかなかシビアな条件ではありますが、うつ病などを除いて8大疾病保障では対応していない多くの病気、交通事故でのケガに対応できるのが、利点でもあります。

また、契約・解約のタイミングを自由に選べるのも利点です。

ライフネット生命の「働く人への保険」は、65歳満了で、保険料はずっと同じ保険です。こちらで支払額のシミュレーションができます。

日立キャピタル損害保険の「リビングエール」は、3年か5年の定期保険、保険期間も最長65歳まで選択可能です。こちらでシミュレーションできます。

注意すべきは、どちらの保険も病気から180日間などの免責期間があることです。長期の就業不能状態でのみ効果を発揮する保険です。

3大疾病保障、8大疾病保障であれば、がん、脳卒中の場合は高い確率で住宅ローンゼロとなるのに対して、就業不能保険は最後まで受給できるケースは稀で、ほとんどの場合は1年か2年後には何かしらの仕事に復帰して受給終了となります。

サラリーマンには不要?話題の就業不能保険を徹底解説! by 保険コネクト

 

改めて、3大疾病、8大疾病保障の必要性を考えてみる

ここまでは、保険の保障内容ありきで様々なリスクを考えてきましたが、ここでは病気やケガなど、住宅ローンを払えなくなってしまうリスクから、保険を見てみたいと思います。

病名・事故内容 疾患する可能性 60歳までの疾患

による死亡率

仕事復帰までの

期間

3大疾病保障・

8大疾病保障

に入らないリスク

がん 7% 約30% 数か月 高い
脳卒中 2% 約15% 数か月 高い
心筋梗塞 2% ほぼ0% 数10日 やや低い
上記以外の8大疾病 不明(但し3大疾病より低い) 不明(但し限りなく低い) 数10日 低い
若年性認知症 不明 不明 復帰は難しい

平均寿命15年

保障対象外

但し進行した時に

団信が適用になる

肺炎 不明 約6% 数10日 低い
うつ病 不明 ほぼ0% 数10日以上 保障対象外
交通事故による大けが

(高度障害より軽度)

不明 約5% 数10日以上

難しい場合も

保障対象外
屋外でのもらい事故で大けが

(高度障害より軽度)

不明 不明 数10日以上

難しい場合も

保障対象外

※高血圧、糖尿等でない健康な30歳男性が60歳までになる確率を”だいたい”記載しています。

※数値の正確性は保障できません。

 

表にはないですが、リスクは他にも難病や火災、水難事故などなど多岐にわたります。にも関わらず3大疾病保障や8大疾病保障は、その名の通り、特定の疾病にしか対応していません。

がんや脳卒中は比較的罹患の可能性が高く、かつ影響が大きいため、保険の検討においては優先度の高い病気だと言えます。

また、疾患したり、ケガをしたりした時に、死亡あるいは高度障害という死にも匹敵するレベルの障害で一生働けなくなる可能性は意外と低く、多くの場合は職場へ復帰して住宅ローンの返済を続けることになると思います。

団信はもちろんのこと、3大疾病、8大疾病保障があるからといって完全に安心できるわけではありません。

 

まとめ

長文にお付き合い下さいありがとうございました。

今回は住宅ローンに付随する保険について解説しました。

  • 団信以外に、がん保障、3大疾病保障、8大(7大)疾病保障に大別される
  • 8大(7大)疾病保障には、がんに罹患した瞬間に住宅ローン弁済となる保険と就業不能が1年以上続いた場合に弁済となる保険がある
  • 支払いの方法は金利上乗せタイプと別途費用を払うタイプがあるがどちらも決して安い金額ではない
  • 罹患リスクは年齢が上がるほど高くなるので、金利上乗せタイプの保険は若い時よりも40歳以降の借り換え時に加入するとお得
  • 30歳の人が60歳になるまでにがんに罹患する可能性は7%、そのうち3分の2は死に至らないので、その後の住宅ローン返済は苦労する
  • 8大疾病のうち、がんと脳卒中以外は、罹患のリスクは比較的小さい
  • 8大疾病以外にも住宅ローンの返済が困難になるリスクは存在するので、8大疾病に過度な費用と期待をかけるのはNG
  • 国の制度として、高額療養費制度、傷病手当、障害年金などもある
  • 就業不能保険という住宅ローンとは別に入れる保険もあり、場合によっては有効

皆さまの検討の一助となれば幸いです。

※筆者は保険に関しては素人です。出てくる数値は様々な機関のデータを調査して掲載しておりますが、正確性の判断は致しかねますので、あくまで参考値としてご認識下さい。

※また、罹患リスクのデータと保険で保障される病気は必ずしも同一ではありません。保険では約款によって保障される病気が細かく決められていますので必ず確認をお願いします。

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