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日銀の長短金利操作付き量的・質的金融緩和が住宅ローンに与える影響

   

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1ヶ月前に、9/21に発表されるFRBの声明と日銀金融政策決定会合の結果とその後の住宅ローン金利を予想していました。

今年に入ってからの経済・金融市場のおさらいを含めて、詳細は↓をご確認頂ければと思いますが、

住宅ローン
9月の住宅ローン金利は久しぶりに上昇!今後、住宅ローン金利がどうなるか? 大胆に予想してみました。 2016年9月は固定金利が上昇 今月の住宅ローン金利(固定金利

予想の要点は以下の通りです。

  • 日銀は物価安定目標の2%を目指しているので、マイナス金利深堀りと国債買い入れ拡大はあり得る
  • FRBは利上げしたいし、利上げできる状況なので利上げが発表される可能性は高い
  • 上記2点より、10月以降、再び住宅ローンの固定金利が史上最低圏になる可能性は高い
  • 短期的には日銀およびFRBの動向次第だが、2017年1月~3月は需要期なのでいずれにしても過去最低を試す展開になるだろう
  • ただし、長期の固定金利は既に採算ギリギリか割れている水準のため、これ以上大幅な低下は考えづらい

 

 

結果どうなったのか?

皆さまもう既にご存知かと思いますが、

日銀は、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を発表。

FRBは利上げ見送り。

日本国債利回りは急上昇の後、少し戻して、結果発表前よりも若干の上昇

10月の住宅ローン金利は、各行固定10年はほぼ据え置き、超長期の固定金利は0.05~0.15%の上昇となりました。

予想は見事に外れました。申し訳ありません。

 

ちなみに、10月住宅ローン金利の変化はこのようになっています。

固定10年金利 固定30年or全期間(35年)金利
9月 10月 9月 10月
三菱東京UFJ銀行 0.6% 0.6% 1.09% 1.16%
みずほ銀行 0.675% 0.675% 1.45% 1.07%
りそな銀行 0.75% 0.75%
三井住友信託銀行 0.45% 0.45% 0.85% 0.85%
ソニー銀行 0.75% 0.772% 1.05% 1.201%
住信SBI銀行 0.52% 0.55% 1.07% 1.12%

※みずほ銀行は、全期間固定金利を0.4%引き下げるキャンペーン(2017年3月末まで)を開始したため、前月比で低下しています

 

長短金利操作付き量的・質的金融緩和とは?

日銀が発表した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」とは、簡単に言うと

これまでは国債の買い入れ額を年間80兆円、平均残存期間は7~12年と発表して、金利がいくつであれ、その額の買い入れをすることを約束してたけど、

これからは日銀が意図する金利になるように、国債の買い入れ額を調整しますよ。(一応の目安はこれまで通り80兆円としている)

ということです。

意図する金利というのは、今回の発表では、「10 年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)」です。

長短の各金利で目安を設定するので、「イールドカーブ・コントロール」とも呼ばれます。

 

なぜ日銀は政策を変更したのか?

私見ではありますが、答えはシンプルだと思います。

2012年から大規模な量的・質的金融緩和を実施してきましたが、未だ目標とする物価安定2%は遥か遠く。

元々2014年に達成するつもりで始めた金融政策で、これまでフルアクセルでやってきたわけですが、そろそろオーバーヒートギリギリになったので、アクセルを緩めたい。

つまり金融緩和が長期になることを覚悟しての持久戦に切り替えたと考えるのが自然です。

黒田日銀総裁はこれまで「必要となれば躊躇なく追加の緩和をする」「緩和の手法は様々ある」と述べてきたわけですが、国債買い入れに関しては限界だったということです。(先月の私の予想は完全に見誤っていました。)

発表後、超長期の金利が上昇したのはこういった思惑が市場に反映された結果です。

金利についてはこの4年間で、十分過ぎるほど低下しました。

国債買い入れは縮小へ、ETFの買い入れは既に6兆円という異次元にありますので、残る追加緩和手段は、当座預金のマイナス金利深堀りぐらいしかありません。

切れるカードが限られる中で、日銀は辛抱強く緩和政策を維持していくことが予想されます。(ドル円がこれ以上大きく下がらなければ、追加緩和は必要ないと判断するでしょう。)

 

 

FRBが利上げを見送った理由

一方、FRBはなぜ利上げを見送ったのでしょうか。

私は、8月のISM非製造業景況指数がここ5年で最も悪い51.4であったことと、住宅関連の指標が微妙だったことから、市場に利上げを十分織り込ませられなかったからだと考えます。

これまでイエレン議長は一貫して「利上げのタイミングは指標次第」と述べてきました。

指標が十分良ければ利上げするし、懸念があれば利上げしないということです。

そういった意味で、利上げするタイミングでは指標がほぼ完璧かつ外的な懸念材料がない状態であることが求められ、9月はそういう状態ではなかったということです。

実際、ISM景況指数は景気の先行指標に位置づけられており、万が一悪い数字が今月、来月も続くようですと、リセッション(景気後退)に入った可能性を否定できず、アメリカの金利は益々低下することになります。

そういった懸念も含めて、12月の利上げの可能性はかなり高い状況ではありますが、来年以降の利上げペースはかなり鈍いことが予想されているため、アメリカの長期金利の上昇ペースは緩やか、かつ上昇幅は小さなものになりそうです。

 

今後の住宅ローン金利はどうなる?

前述の状況から、今後の住宅ローン金利を予想してみます。

① 日銀のさらなる大規模な緩和は望み薄 ⇒ 金利低下余地は限定的

むしろ、超長期金利は今回の政策変更の影響をすべて織り込んでいるように思えない(金利上昇余地)

そして、日銀のイールドカーブ・コントロールがうまくいくのかという疑念もある

② FRBの利上げペースは緩やか ⇒ 金利急上昇の可能性は低い

というわけで、9/22以降、超長期金利は若干の上昇に留まっていますが、今後数か月は低下よりも上昇の可能性が高いと予想します。

ただし、上昇幅が大きくなるとも考えづらいため、繰り返しになりますが、来年1月~3月になると各行のキャンペーン合戦が本格化しますので、そのタイミングでは逆に金利低下の可能性が高まり、再び8月並みの金利になる可能性も大いにあると思います。(みずほ銀行は10月から全期間固定金利を0.4%引き下げる来年3月までのキャンペーンを先行して開始しました。)

従って、固定10年の借り入れ、借り換えを検討している方は今実行してもよいと思いますが、20年・30年の固定を考えている方で、来年1~3月まで待てる方は様子見が良いかと思います。

借り換え検討中の方はこちらの記事も併せて参考にして下さい

住宅ローン
今月ついに、住宅ローンの借り換えをします。 ↓の記事やツイッターでお伝えしてましたように、三井住友信託銀行の当初固定30年(金利0.73%)へ借り換えます。 http:

 

その他、原油については、OPECの増産凍結合意によって原油価格が切り上がり、アメリカにとってのリスク要因がひとつ消えました。

今のリスクは、アメリカの次期大統領にトランプ氏がなること、ドイツ銀行の経営危機、ブレグジットの行方です。

いずれもメインシナリオでは大きなリスクは想定されていないですが、それ故に想定外の事態となった場合は、国債利回りは一段と低下、住宅ローン金利も低下することになります。

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