11月大手銀行住宅ローン過去最低水準へ ~借り換え・固定金利への切り替えタイミングを検証~

11月の各行の住宅ローン金利が発表されました。

■10年固定金利 ※最優遇金利
三菱東京UFJ銀行 1.10%(前月比-0.15%) ※当初引き下げ
三井住友銀行    1.10%(前月比-0.15%) ※当初引き下げ
みずほ銀行     1.20%(据置) ※当初引き下げ
りそな銀行     1.10%(前月比-0.05%)
三井住友信託銀行  0.80%(据置) ※当初引き下げ

三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行は店頭金利-0.05%に加えて、当初10年の優遇金利が-0.10%となりました。
みずほ銀行は固定10年こそ据え置きましたが、15年と20年については0.05%引き下げました。

9月、10月に引き続き各行での引下げが目立っています。

■フラット35
35年以下(融資率9割以下) 1.55%(前月比-0.04%)
20年以下(融資率9割以下) 1.28%(前月比-0.04%)

こちらは2ヶ月ぶりの低下となりました。

 

 

10月金利相場の振り返り

日本国債10年利回り推移

2015年11月国債利回り

上図を見て頂ければ一目瞭然ですが、住宅ローンの固定金利の指標となる長期国債の相場は、直近6月をピークに下落の一途をたどっています。

6月頃までは、ギリシャ問題がピークだったものの、上海株バブル崩壊前でしたので、中国経済への懸念が今ほど強くなく、アメリカ経済は順調に回復、雇用統計も良い状況が続いていた為、アメリカの利上げ観測の上昇により

アメリカ経済良好 → アメリカ利上げ → アメリカ長期金利上昇 → ひっぱられる形で日本国債の長期金利も上昇

という状況になっていました。

しかし、その後はご存じの通り、

上海株暴落 → 原油価格暴落 → アメリカシェールバブル崩壊 → 米経済成長不安 → 米雇用統計不調 → 利上げ時期後退 → アメリカ長期金利下落

の流れで、日本国債も売られ、住宅ローン金利も今年2月並みに下がってきました。

 

今後の国債金利

今後の国債金利を占う上で重要な要素は、「アメリカの利上げ」「日銀の追加緩和」「ECBの追加緩和」です。

まずアメリカの利上げですが、これはもう神のみぞ知るところです。前回のFOMC声明で12月に利上げの判断をする旨が明言されましたが、利上げするのかしないのか、すべては10月、11月の雇用統計次第です。これらが特別悪いということがなければ利上げするでしょう。

続いて日銀の追加緩和。これはほぼ無いと考えてよいと思います。やるとしたら前回10月の決定会合でやるべきタイミングだったと思いますがやらなかった、あるいはやれなかったのかもしれませんが、今のところ黒田総裁は物価上昇が達成できていないのはエネルギー価格を理由に上げて、コアコアでは順調に上がっている為と主張しているからです。追加緩和するにも残された手段、量には限界がある状況すので、追加緩和は最終手段として温存するでしょう。

ECBの追加緩和、これはドラギ総裁が実施の意向を表明しています。

ということから、今市場に織り込まれていないのはアメリカの利上げのみ。とりあえずは今週末の雇用統計、そして1ヶ月後の雇用統計の結果次第で、良ければ長期金利は上昇、悪ければ下落となると思われます。

 

 

借り換え・固定金利への切り替えタイミングは?

現在、借り換えを検討中の(で固定にしようと思っている)方や、変動を選択していて頃合いを見計らって固定にしようとしている方にとって、借り換えや固定金利切り替えの時期は非常に悩ましいと思います。

それは、今後住宅ローン金利が上昇するのか下落するのか、すべてはアメリカ経済次第だと思います。私はそれほど悪くない=金利は上昇していくと予想していますが、今はもう少し様子を見た方がよいと考えます。慌てずじっくりいきましょう。

※あくまで個人的な見解ですので、結果を保証するものではありません

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